【出張買取】旧車カタログ ニッサンディーゼル トラクタトラック TW50HT 1973年 全4ページ

先日、大量にお譲り頂きましたトラックのカタログから、人気だったものをご紹介しています

今回はこちらの「日産ディーゼル（現・UDトラックス）」の大型トラクタトラック「TW50HT」。

表紙中央には力強いデザインのキャブと連結されたトレーラーが描かれており、当時の商用車らしい重厚感と先進性を感じさせます。「新発売」の赤い印も目を引き、当時の販売促進用カタログであったことがわかります。

このTW50HTは、RＤ8型ディーゼルエンジンを搭載し、最大出力は280馬力（ps）、最大トルクは98kg・mを誇ります。高出力と高トルクを両立したこのエンジンは、特に重量物の長距離輸送や建設資材の搬送といった過酷な用途に適したパワーユニットでした。また、記載されている通り、このトラックは「第5輪荷重12トン／18トン」に対応しており、大型トレーラーのけん引能力にも優れています。

キャビンは視界性と整備性を重視したティルト式オールメタルキャブを採用。エンジン点検が容易で、整備性にも配慮された設計となっています。デザイン面では、特徴的な角形のツインヘッドライトや力強いグリルが印象的で、視覚的にも信頼感と存在感を与えています。「NISSAN DIESEL」のエンブレムがフロントに掲げられ、当時のブランド力の高さも伺えます。

このTW50HTは、従来モデルである「TW13」で培った技術と信頼性を受け継ぎながらも、より高性能かつ高耐久性を追求した進化版として位置付けられています。カタログ下部の説明文からは、重建機輸送業界のニーズに応え、エンジン性能や車両構造を総合的に強化したことが強調されています。

この一台は、1970年代前後に活躍した日本の商用車史を語る上で重要なモデルのひとつであり、当時のインフラ整備や物流の根幹を支えた存在でした。現在ではレトロトラックとして愛好家の間でも人気があり、当時のカタログは希少な資料としても価値があります。