本を売りたいけれど、「古本」「古書」「古典籍」ってどう違うの?と疑問に思ったことはありませんか?
実は、それぞれ意味も価値も大きく異なります。
この記事では、初心者でもわかりやすいように、古本・古書・古典籍の違いを徹底解説。
さらに、それぞれを買取に出す際に注意すべきポイントも紹介しています。
売却前に必ず知っておきたい基礎知識をまとめましたので、ぜひ参考にしてください!
本の世界では、時間の経過とともに価値や分類の仕方に違いが生まれます。「古本」「古書」「古典籍」という言葉は、似たように使われることも多いですが、それぞれには明確なニュアンスの違いがあります。
こちらでは、これらの言葉の意味、使われ方、歴史的背景をわかりやすく解説していきます。
古本とは?意味・特徴・買取のポイント
■ 古本の基本定義
「古本(ふるほん)」とは、単純に言えば一度誰かの手に渡った、使用済みの本を指します。つまり、発行されてからの年数や希少性にかかわらず、新品ではない本全般が「古本」と呼ばれます。
たとえば、最新のベストセラー小説でも、読んで売ったらもう「古本」です。
また、漫画や実用書、雑誌なども、いったん個人が購入して手放した時点で「古本」となります。
■ 古本の特徴
基本的には中古品としての意味が強く、ジャンルや内容は問わない。
安価で流通することが一般的だが、絶版品は高額になることもある
■古本を買取依頼する前に知っておきたいこと
古本は新古書店と呼ばれるブックオフや店舗がなくネットで買取を募集しているお店が得意としています。
発行したばかりの古本、近年発行した古本は定価から何%という形で査定されることが多く、発行日から日にちが経つにつれ、安くなっていきますので、読んで用済みになったら即売却がポイントです。
■ まとめ
「古本」は、「新品ではない本」「中古本」という、最も広い意味を持つ日常語です。
売るなら早く!
古書とはなにか
■ 古書の基本定義
「古書(こしょ)」は、「古本」と似ていますが、より専門的なニュアンスを持つ言葉です。
一般的に「古く、また価値のある本」を指すことが多く、単なる中古本よりも一歩踏み込んだ意味合いを持っています。
古書業界では「発行から数十年が経過しており、内容や出版背景に文化的、歴史的な価値が認められる本」を古書と呼ぶことが多いです。
エーブックが所属するのは名古屋古書籍商業協働組合。
古書を扱う商売をしている方の集まりということですね。
■ 古書の特徴
発行年がある程度古い
文化的・歴史的価値がある
学術書・思想書・初版本・絶版本などが対象になりやすい
プレミア価格が付くこともある
■ 古書の現代での使われ方
「古本」と「古書」は混同されることも多いですが、古書店(古本屋ではない)と名乗る場合は、より高尚な品揃えを目指して開店されています。
店舗の棚を見てみると、昨年発売された小説、コミックはないはずです。
大学関係者、研究者向けの専門書も古書市場では重要な役割を持ちます。
■古書を買取依頼する前に知っておきたいこと
古書はお店によって査定額が違うことありますので、お売りになりたい古書の専門に近いお店を探して売る方が得てして高い買取価格になります。
ブックカバーがかかっていたりすると、それを外す手間も査定にいれられてしまいますので、まずは外しておきましょう。
線引や書込み、蔵書印もマイナスポイントですが、黙っていて、ひとつ見つけられるとすべての古書にある前提で査定されることもしばしば。
素直にこの古書にはあるけど、こちらの古書にはないと説明した方が結果得するとが多いですよ。
■ まとめ
「古本」が単なる中古本であるのに対し、「古書」は時代性・文化性を伴った本を指す、より専門的な呼び方です。
買取を依頼する時は店の専門性を見極めて!
古典籍とはなにか
古本、古書とは別に『古典籍』という言い方があります。
■古典籍の基本定義
「古典籍(こてんせき)」とは、さらに範囲が限られます。
一般的には、明治以前(江戸時代以前)に日本で作られた和本・漢籍・写本・版本など、歴史的価値が非常に高い書物を指します。
つまり、「古典籍」は、「本」というよりも歴史資料・文化財に近い扱いを受けます。
■ 古典籍の特徴
制作年代が極めて古い(基本的に明治維新以前)
和紙に筆書き、木版印刷、写本などの形式が多い
現存数が少ない
保存・管理に厳重な配慮が必要
博物館、大学図書館、国立国会図書館などで収蔵される
取引価格も非常に高額になることがある(重要文化財クラスのものも)
■古典籍の 代表例
『源氏物語』の江戸時代版本
奈良時代・平安時代の写本
江戸期の仮名草子や草双紙
中国の漢籍(唐本、宋版)
■古典籍を買取依頼する前に知っておきたいこと
そもそも買取ができるお店は限られていますので、しっかりとネットで調べることが重要です。
またその古典籍の内容、価値をご自身で調べてから、古典籍を扱うお店にご相談するのがいいでしょう。
■ まとめ
「古典籍」は、単なる古い本ではなく、歴史的・文化的遺産として扱われる超高位の本です。
買取依頼時はまずは価値を確認して!
古本・古書・古典籍の市場の現状
近年、電子書籍やネット通販の普及によって、一般的な古本市場は縮小傾向にあります。しかし、古書市場や古典籍市場は、むしろ価値が見直され、専門コレクターや研究機関からの需要が高まっています。
特に、
昭和戦前の文化資料
明治期の西洋思想受容本
江戸時代の版本・写本
昭和のサブカル雑誌、貸本漫画
などは、保存状態がよければ高額で取引されることも珍しくありません。
【まとめ】
「古本」は、新品でないすべての本
「古書」は、古く価値のある本
「古典籍」は、明治以前の歴史的な書物
言葉の使い方は状況によりあいまいなこともありますが、基本的にはこのような違いを意識すると理解しやすくなります。
本を扱う人、コレクター、古書店主、あるいは単なる読書好きにとっても、この区別を知っておくと、世界がより深く広がりますね。
20代は関西を中心に放送作家
絵本、小説で受賞歴有
2000年よりネット古書店A-BOOKを経営
今はライブやフェスが楽しみ