- 山口県岩国市
- 出張買取

エーブック店長よりコメント
『海女の群像 新装改訂版』と『海女の習俗』の2冊セットをお譲りいただきました。

どちらも写真家・岩瀬禎之が昭和初期から戦後にかけて千葉県御宿町岩和田の海女たちを撮影した写真を収録した作品です。

海女とは、素潜りによってアワビやサザエ、ウニ、海藻などを採取する女性漁業者のことです。その歴史は古く、『魏志倭人伝』や『万葉集』にも海女と考えられる記述が見られ、少なくとも千年以上にわたり日本各地の沿岸地域で活躍してきました。

海女漁は機械や酸素ボンベを使わず、自らの息だけを頼りに海へ潜ります。長年の経験によって潮の流れや海底の地形を読み取り、限られた時間の中で獲物を探し出す高度な技術が必要とされます。また、資源を守るために漁期や採取方法にも独自のルールが設けられ、持続可能な漁業としても注目されています。

かつて海女は千葉県、三重県、石川県、福井県など全国各地に存在していましたが、高齢化や後継者不足によってその数は大きく減少しました。現在では海女文化そのものが日本の貴重な民俗文化として再評価されています。

岩瀬禎之が撮影した海女たちは、観光資源として紹介される現在の海女とは異なり、まさに生活のために海へ潜る職業人でした。本書には漁の様子だけでなく、浜辺での作業、仲間との交流、休息の時間など、当時の海辺の共同体の暮らしが生き生きと記録されています。
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