古本屋はひとりじゃない ―同業者のネットワークの話―[日曜コラム]

毎週日曜日は、店主・橋本が最近の出来事や思ったことなどを書かせていただいています。
本日は「古本屋のネットワーク」についてです。

数日前、私とほぼ同じ2000年代初頭に古書組合に入った方と、ご飯を食べに行きました。


彼とは、名古屋チームとして一緒に東京・新宿の古本の催事に出店した仲です。
あの頃からお互い扱うものは変わってきましたが、同業者ですので話は尽きません。

外からはわかりにくいかと思いますが、実は古本屋にはそれぞれ様々なネットワークがあり、商売の上でも助け合うことが多くあるのです。

例えば、超大量の買取。
自分のお店のハイエースだけでは積みきれない、整理も大変。
そんな時は同業者に頼んで、一緒に買取作業を行うことがあります。

写真は以前、あまりに本が多すぎて4トントラックを呼んで、積んだ時のものです。

今年の2月には、東京の知り合いの古本屋さんから「名古屋で大量の買取がある」と相談を受けました。そういう事情ならばと、私が車を出して搬出を手伝いました。
時には古本屋さん5店舗くらいに声をかけて、ひとつの買取をしたこともあります。

「アルバイトを使えばいいのに?」と思われるかもしれません。ですが、同業者なら古本の価値がわかりますし、本を縛る・運ぶといった作業にも慣れています。仕分けも、価値がわかっている分、アルバイトの方に指示してやってもらうより数倍早いのです。

他にも、買取のご依頼があった時、あまりに遠方の場合は近くの古本屋さんをご紹介することもあります。
以前、北九州市から当店としてはぜひ伺いたい買取のご依頼をいただいたことがありました。ただ、北九州市まで車で行くには遠すぎますし、本の内容もいまひとつわかりません。
量も多く、ご依頼主からは「年齢的にきつくて、自分で梱包・発送はできない」とも言われました。なんとかならないかと色々考えた末、近隣の知り合いの古本屋さんにお願いして伺ってもらい、そのお店から梱包・発送してもらいました。

また、同業者が商売を辞める時に、古本屋が何人か集まってお店の本を運び出す、なんてこともあります。

こんな感じで、古本屋はひとりでやっているように思われがちですが、同業者で助け合っている部分もかなりあるのです。
ですので買取のご相談をいただいた時も、「当店には不向きだけど、あそこなら得意そうだぞ」とか、「ウチからはかなり遠いけど、近くに古本屋さんがあるはずだ」などと考えながらお話ししていることもあります。

先日、中古車屋さんと話をした時にも同じような話を聞きました。お茶の卸しの仕事をされている方も、少し形は違うけれど同業者で助け合うことがあると話されていました。
個人商店あるあるなのかもしれません。