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エーブック店長よりコメント
昨年大量にお譲り頂いた貸本漫画、1950年代の漫画雑誌についてご紹介しています。
今回は芳文社の痛快文庫シリーズ。
発行されたのは1950年代です。
福田三省「覆面王者」
植木金矢「鞍馬剣士」第2集
面谷俊介「青竜鬼」全2巻
石井治「流星大江戸城」
以上5冊。
芳文社は痛快ブックを出版しており、痛快という冠をつけるのが定番だったようですね。
ところでちょっと気になったのが文庫という名前です。
文庫というと今は文庫サイズの本のことを指しますが、あれはいつからそうなったのでしょうか。
「文庫」の本来の意味は、貴重な書物や資料を保管するための建物や蔵のことを指します。この言葉は日本の中世から江戸時代にかけて使われ、特に寺院や大名家などで書物や文書を安全に保管するための施設を「文庫」と呼びました。
この意味から派生して、時代が進むにつれて「文庫」には「収蔵された書物」や「本のコレクション」という意味合いも加わっていきました。
文庫の本来の意味はこんな感じです。
「文庫」が「文庫本サイズ」を指すようになったのは、近代日本で出版されるようになった「文庫本」の普及がきっかけです。この流れは、明治時代後期から大正時代にかけて始まり、特に1927年(昭和2年)に岩波書店が「岩波文庫」を創刊したことが大きな転機となりました。このシリーズは手軽に持ち運びができる小型サイズで、低価格かつ良質な古典文学を一般に普及させることを目的としており、ここから「文庫」という語が特定のサイズを持つ本を指すようになったと言われています。
また、この「文庫本」形式は多くの出版社にも受け入れられ、第二次世界大戦後には講談社文庫、新潮文庫、集英社文庫など他社からも同じような小型サイズのシリーズが登場し、一般的な「文庫本サイズ」が広まっていきました。
戦前から文庫サイズを文庫という流れがあったんですね。
1950年代に痛快文庫というシリーズを発売していたということはまだ一般には文庫=文庫サイズとはなっていなかったともいえ、おもしろいですね。
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