【持込買取】福島鉄次『砂漠の魔王』

ご依頼いただき、ありがとうございます!

エーブック店長よりコメント

昨年、大量にお譲り頂いた昭和20年代、30年代の漫画雑誌、貸本漫画の一部をご紹介させて頂いているシリーズ。

ご紹介する本はすべて売却済のため、お問い合わせ頂いても在庫はありませんのでご了承ください。

絵物語は絵本の延長のものかと思っていましたが、調べると、紙芝居を本にしたものということのようです。

作者の福島鉄次が残した作品は少ないんですね。

福島鉄次『沙漠の魔王』

砂漠の魔王

こちらは古本市場でも大変人気の高い『砂漠の魔王』になります。

漫画ではなく長編絵物語というジャンルですね。

『沙漠の魔王』(さばくのまおう)は、福島鉄次による長編絵物語であり、1949年から1956年にかけて月刊『少年少女冒険王』(後の『冒険王』、秋田書店刊)に連載され、その後、単行本全9巻として刊行されました。

物語は『アラジンと魔法のランプ』にインスパイアされており、香木を焚くと香炉から巨大な魔王が出現し、飛行石の力で空を飛び、無敵の力を発揮します。魔王は呼び出した者の命令に従うため、主人公ポップ少年と敵対することもあります。舞台はアラビアやアフリカを思わせる異郷の地であり、魔王はターバンを巻き、赤いマントを身にまとったアラブ風のコスチュームを着ています。この異国情緒あふれる背景世界と荒唐無稽な冒険活劇の筋立てが、終戦直後の少年たちの心を捉えました。

特にグラフィック面では、アメリカンコミックスに影響を受けた鮮やかでキッチュな彩色、大胆な構図、緻密で立体的な描写、ユニークな兵器のデザインが特徴的です。これらの要素は時代を超えて今なお魅力を放っています。

本作は、秋田書店の初代社長である秋田貞夫の提案を受け、『少年少女冒険王』創刊号の冒頭をオールカラーで飾った「ポップ少年の冒険・ダイヤ魔神」として初出されましたが、副主人公の巨人が人気を集め、二回目から「沙漠の魔王」と改題され、魔王の活躍が始まりました。後にアニメ映画監督となる宮崎駿もこの作品の影響を受け、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』にその影響を見ることができます。

『沙漠の魔王』は、山川惣治や小松崎茂の作品と共に、「絵物語」という新しいジャンルの端緒を開きました。このジャンルは、終戦直後の日本において少年たちに夢と冒険を提供し、絵物語文化の発展に寄与しました。

最短即日、無料査定! 古本・紙モノ・グッズ高く買います

お問合わせ

買取のご相談、出張・査定は無料!
お気軽にお問合せください。