- レスリー・チャン
- 千葉県幕張市
- 宅配買取

エーブック店長よりコメント
これは昨年にお譲り頂き、最近ようやく新たな持ち主が決まったレスリーチャンの額装写真です。
1996年に日本国内で開催された『クリストファー・ドイル写真展』で展示されていた作品で、終了後、抽選でチャリティー販売。
当時、当選して購入された方からお譲り頂きました。
もちろんオリジナルネガからのプリントで、約H45 ×W35 cm(額装サイズ)です。
クリストファー・ドイルの直筆サインがあります。

クリストファー・ドイル(Christopher Doyle)は、1952年オーストラリア・シドニー生まれの撮影監督で、香港映画を語るうえで欠かすことのできない存在です。特にウォン・カーウァイ監督作品における映像表現によって世界的な評価を確立し、1990年代以降のアジア映画の映像美に決定的な影響を与えた人物として知られています。
ドイルは若い頃、特定の場所に定住せず、各地を放浪するような生活を送っていました。その過程で香港に辿り着き、映画の世界に深く関わるようになります。映画学校などで体系的に撮影を学んだわけではなく、現場での経験と自身の感覚を重視する独特のスタイルを築いていきました。この「正統派ではない」経歴こそが、彼の映像に強い即興性と身体性をもたらしたと言えます。
ウォン・カーウァイ監督との出会いは、ドイルのキャリアを決定づけるものでした。『欲望の翼』『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年華』などで手がけた映像は、従来の香港映画には見られなかった大胆なカメラワークと色彩設計で、観客に強烈な印象を残しました。手持ちカメラによる揺れ、スローモーションと早回しの混在、ネオンや蛍光灯を強調した彩度の高い色使いは、都市に生きる人間の孤独や不安、刹那的な感情を視覚的に表現しています。

ドイルの撮影は、物語を「説明する」ための映像ではなく、登場人物の内面やその場の空気感を「体感させる」ことを重視しています。ピントの甘さや露出の不安定さすらも意図的に取り込み、完璧さよりも感情の真実性を優先する姿勢は、当時としては非常に革新的でした。その結果、観客は画面を通して登場人物と同じ時間や感覚を共有することになります。
ウォン・カーウァイ以外にも、チャン・イーモウ、フルーツ・チャン、三池崇史、是枝裕和など、アジアを中心とした多様な監督とコラボレーションを行っています。作品ごとに表情を変えながらも、ドイルの映像には一貫して「都市」「身体」「感情」が濃密に焼き付けられています。
クリストファー・ドイルは、撮影監督でありながら一種の表現者、あるいは映画作家に近い存在です。彼のカメラは常に不安定で、生々しく、時に暴力的ですらありますが、その不完全さこそが人間の感情に最も近いのです。デジタル化が進み映像が均質化する現代においても、ドイルの作品が色褪せない理由は、映像を「感情の痕跡」として捉え続けてきた点にあると言えるでしょう。
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