【宅配買取】支那事変画報の広告が興味深い!征露丸/メンソレータム/熱量食/毛布/サクラビール

  • 千葉県千葉市
  • 出張買取
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エーブック店長よりコメント

『支那事変画報』は、1937年(昭和12年)の日中戦争(支那事変)の勃発に伴い、日本の新聞社・出版社などが戦地の様子を国民に伝える目的で発行した戦争報道グラフ誌(ビジュアル戦争記録誌)です。

大量の写真・図解・地図などを用いて、前線の戦況、兵士たちの活躍、占領地の様子、日本軍の正義や強さを強調して伝える内容で構成されています。

『支那事変画報』は貴重なグラフ誌ですが、当店ではちょくちょく入荷があります。

雑誌の本編はもちろんのこと、どんな広告が掲載されているのか興味があって、見入っちゃうんですよね。

その読者層や時流にあわせて、広告を展開しているはずなので、時代や、その当時に必要なものがわかっておもしろいのです。

和歌山駿河屋製の焙羊羹

前線将士への慰問使節 糖分の慰問使は 和歌山駿河屋製の焙羊羹

前線将士への慰問使節
糖分の慰問使は
和歌山駿河屋製の焙羊羹

昭和13年10月21日発行の『支那事変画報』の裏表紙の広告です。

兵士の慰問には甘味(糖分)が重要であり、その中でも駿河屋の「焙羊羹」が最適であることを強調した文章ですね。

イラストは寒冷地と思われる防寒服姿の兵士が、笑顔で「焙羊羹」のパッケージを懐に入れており、袋には「慰問袋」と記されています。背景には雪景色と五重塔らしきものが描かれ、厳しい戦地の様子が伝わります。

焙羊羹(ほうようかん)は焼いたような風味のある羊羹。保存性が高く、長期保存が可能なため、戦地への慰問品として適していたと思われます。

熱量食

熱量食 熱量食 熱量食

昭和14年になると「熱量食」の広告がかなりの頻度で掲載されだします。

「熱量食」は、いわば当時の高カロリー携帯栄養食品で、兵士が携行する軍用の食料。今で言えば、カロリーメイトやグリコやキャラメルでしょうか。

名称には「科学的新兵糧丸」「一食千人力」「皇軍の野戦糧食」などのスローガンが掲げられています。

「此小函内に二百五十カロリーを含む」「一食千人力の科学的新兵糧丸」など、カロリーの高さと効率的な栄養摂取を強調。

兵士の体力維持・疲労回復に最適とアピールしています。

また、ハイキングに、観劇に、子達のオヤツに、とも書かれ、一般の方の利用もすすめています。

熱量食 熱量食

正露丸とメンソレータムとアースタム

薬の広告も多く登場します。

「慰問袋に是非!」などと書かれ、『支那事変画報』は戦地に赴いた兵隊さんの日本に残された家族が定期購読。戦地の様子や、もしかして、家族の写真が掲載されることを期待していたのかもしれませんね。

正露丸やメンソレータムが戦前からあったのはちょっと驚きです。

あれ?征露丸と書いてあって、正露丸ではないですね。

調べてみると、「征露丸」は日露戦争時に陸軍が採用した整腸剤で、その後も国民的な胃腸薬として長く親しまれたとのこと。

戦後、「征露丸」という商品名はGHQによって「露(ロシア)」という戦争的意味合いを理由に使用禁止。

名称を改めて「正露丸」として販売が継続、現在に至っています。

「慰問袋にも欠かせぬ薬」とやはり慰問袋に入れてもらいたいようです。

毛布

戦地へ毛布を送りましょうという広告です。

「銃後の赤誠をこめて、前線に温かい毛布を送りませう」

何を送るかといいですよの広告が目立ちます。

サクラビール

そんな中、ちょっと違うのがこちらのサクラビールの広告。

「祝捷の乾杯は 酵良サクラこそ 最もふさはし!」

昭和13年はまだまだ余裕があったんですね。

王冠サービスというのはビールの栓の裏に何等と書いてあったんでしょうか。

子供の頃にジュースでそういうくじがあったのを記憶しています。

 

古書ってほんと楽しいですよね。整理するのに時間がかかるはずだ。

 

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