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エーブック店長よりコメント
過去にエーブックに入荷した貴重な書籍を毎日ご紹介しています。ご紹介している本はすべて販売済みですので、お問い合わせを頂いても在庫はありません。よろしくお願いします。
本日はファミコンRPGの金字塔『ウィザードリィ』の魅力を余すところなく解説した名著、ベニー松山著『ウィザードリィのすべて』(JICC出版局)をご紹介します。

日本のRPG文化を語る上で欠かせない一冊
『ウィザードリィ』は、1981年に海外で発売されたダンジョンRPGで、日本では1985年にファミコン版が発売されるとともに、独自の熱狂的なファン層を生み出しました。
一人称視点のワイヤーフレーム迷宮、キャラクターロスト(死亡)の緊張感、そして高難易度ゆえのやり込み要素は、後のRPGジャンル全体に多大な影響を与えています。
本書の著者であるベニー松山さんは、ゲームブック『火吹山の魔法使い』シリーズの翻訳や、ウィザードリィを題材にした小説『隣り合わせの灰と青春』の作者としても知られる人物で、まさにウィザードリィという作品世界を誰よりも深く理解していた書き手による解説書だといえます。
迫力ある油絵タッチの表紙が物語る、世界観への没入感
表紙に描かれているのは、緑色に光る液体を手にする女戦士を中心に、騎士や老魔術師、盗賊たちが集うワンシーンです。

油絵のような重厚なタッチで描かれたこのイラストからは、単なるゲーム攻略本の域を超えた、ファンタジー小説さながらの没入感が伝わってきます。誌面には「魔術師」「盗賊」といった職業(クラス)ごとの詳細な解説イラストも収録されており、メイジやシーフ、ハイウェイマンといったキャラクター類型が、ゲーム内の設定描写とともに生き生きと描かれています。
単なるパラメータ表ではなく、その職業がどのような存在なのかを物語として語りかけてくるような文章は、著者ならではの筆致だと感じます。
版を重ねた人気と、シリーズ作品との併載
奥付を確認すると、本書は1989年8月31日発行、同年11月20日に第6刷が発行されており、短期間で版を重ねていたことがわかります。

裏表紙にはウィザードリィシリーズ第一作「Proving Grounds of the Mad Overlord」、第三作「Legacy of Llylgamyn」のパッケージ画像も掲載されており、当時のファンにとってシリーズ全体を俯瞰する資料としても重宝されていたことがうかがえます。

ウィザードリィというゲームが日本でいかに独自の文化的発展を遂げたか、その一端を伝える貴重な一冊です。
経年を重ねながらも、大切に読み継がれてきた一冊
今回お譲りいただいた一冊は、経年による軽いヤケは見られるものの、本文・図版ともに判読に支障のない状態で、長年にわたって大切に保管されてきたことが伝わってきました。
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