【宅配買取】江川卓表紙『週刊ベースボール』1973年9月9日号増刊（第55回全国高校野球選手権総決算）

― 伝説が「活字と写真」で残された時代の記録 ―

今回入荷したのは、『週刊ベースボール』1973年9月9日号増刊（第55回全国高校野球選手権総決算）です。

表紙を飾っているのは、作新学院時代の江川卓投手。高校野球史において、今なお語り継がれる存在です。

古本市場では、江川卓に関する雑誌や、高校野球を特集した資料が安定して人気を保っています。なぜ、半世紀近く前の資料が、いまも求められ続けているのでしょうか。

江川卓が「高校野球の象徴」となった理由

江川卓は、1970年代の高校野球において、圧倒的な存在感を放った投手です。

作新学院のエースとして甲子園に出場し、剛速球を武器に数々の記録と記憶を残しました。

特に注目されるのは、

• 高校生離れした球速と制球力

• 投球フォームの完成度

• 勝敗だけでは語れない強烈な印象

です。結果だけでなく、「見る者の記憶に残る投手」であったことが、江川卓を特別な存在にしています。そのため、プロ入り後の評価や議論を含め、高校時代の姿を記録した資料は、今も読み返され続けています。

高校野球資料が支持される理由

高校野球に関する雑誌や資料が人気を集める理由は、単なるスポーツ記録にとどまりません。

1970年代の高校野球は、

• テレビ中継が全国的に浸透した時代

• 地域代表として学校名が強く意識された時代

• 選手個人より「物語」として語られた時代

でもありました。

そのため当時の雑誌には、試合結果だけでなく、選手の表情、投球フォーム、土や汗にまみれたユニフォームといった、空気感まで含めた記録が残されています。

現在ではデジタル映像が主流ですが、当時の週刊誌や増刊号は、編集者の視点で切り取られた「時代の解釈」が詰まっており、資料的価値が高いのです。

『週刊ベースボール』増刊号の価値

今回入荷した増刊号は、「全国高校野球選手権総決算」として編集された一冊です。

• 大会全体を振り返る構成

• 写真を多用した誌面

• 当時の評価や言葉で綴られた記事

これらは、後年の回顧記事では再現できない要素です。特に江川卓の高校時代をリアルタイムで伝える資料は数が限られており、雑誌という形で残っていること自体に意味があります。

なぜ古本市場で評価され続けるのか

江川卓と高校野球資料が支持される背景には、

• 世代を超えた知名度

• 野球史・高校野球史の基礎資料としての需要

• 映像ではなく「紙」で残された記録への再評価

があります。

近年は、コレクターだけでなく、研究的視点で探される方も増えており、状態の良い雑誌や、表紙・特集に意味のある号は特に注目されます。

江川卓以前には王貞治、太田幸司、以降にも、荒木大輔、松坂大輔、近年ではダルビッシュ有、大谷翔平など甲子園のスターが多数現われ活躍しましたが、古本市場で圧倒的に人気は江川卓なんですよね。

江川卓以前はアサヒグラフ増刊、毎日グラフ増刊などはなかったようですので、高校野球の人気がそもそも江川卓以降だったのかもしれません。

これはエーブックの勝手な偏見です。

いつか調べてみます。