- 岐阜県岐阜市
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エーブック店長よりコメント
今回は、日本刀や武士文化に関する専門書・展覧会図録をまとめてお譲り頂きましたのでご紹介します。
いずれも日本刀そのものだけではなく、刀工の系譜、鑑賞方法、浮世絵や印籠など、さまざまな角度から日本刀の文化を知ることができる資料です。
『日本刀 五ヶ伝の旅 山城伝編』田野邉道宏
日本刀の「五ヶ伝」と呼ばれる主要な刀工流派のうち、京都を中心に発展した「山城伝」に焦点を当てた専門書です。

著者の田野邉道宏氏は、刀剣研究で知られる人物。本書では山城鍛冶の流派や代表的な刀工を取り上げ、名刀の写真や押形などを掲載しながら、その特徴を詳しく解説しています。東京都立図書館の資料紹介でも、山城鍛冶の系譜と代表的刀工を網羅し、国宝・重要文化財などの名刀について解説した書籍とされています。

2015年に目の眼から刊行され、その後シリーズとして「大和伝編」「備前伝」なども刊行されています。
刀剣を単に「美しい」と見るだけではなく、刀工や流派による作風の違いを知りながら鑑賞したい方に向いた一冊です。
『THE HEROES 刀剣×浮世絵 ― 武者たちの物語』ボストン美術館所蔵
こちらは2022年に日本各地で開催された「ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵 ― 武者たちの物語」の展覧会図録です。

ボストン美術館が所蔵する日本美術のコレクションから、源頼光、源義経、上杉謙信、武田信玄など、古くから物語や伝説で語られてきた英雄たちを描いた「武者絵」を紹介。
特に面白いのが、浮世絵だけではなく、そこに描かれた武者たちと関連する刀剣や鐔も一緒に見ることができる点です。

展覧会では、ボストン美術館から武者絵118点、鐔27点、さらに名刀20振が紹介されました。
浮世絵に描かれた英雄の姿と、実際の刀剣・鐔を組み合わせることで、江戸時代の人々がどのように武者や刀をイメージしていたのかを知ることができます。
日本刀だけでなく、浮世絵や日本美術に興味のある方にも楽しめる展覧会図録です。
『日本刀の鑑賞 基礎知識 復刻版』小笠原信夫
日本刀を鑑賞するための基本を体系的に学べる専門書です。
著者の小笠原信夫氏は、東京国立博物館で刀剣室勤務、工芸課長などを歴任した刀剣研究者です。

本書では、刀の美しさをどのように見るのかという基本から、刃文、刀剣の種類、刀の製作、研磨、刀装、鐔、鑑定、保存まで幅広く解説しています。
さらに、正宗や酒呑童子伝説の刀、織田信長の「圧し切りの刀」、徳川家康の愛刀など、名刀にまつわる話も収録されています。

今回の本は2019年に雄山閣から刊行された復刻版で、2000年に至文堂から刊行された『日本刀の鑑賞基礎知識』を底本としています。
日本刀についてこれから詳しく知りたい方にとって、まさに「基礎知識」となる一冊です。
『サムライ・ダンディズム 刀と印籠 ― 武士のこだわり』
最後の一冊は、2019年に東京富士美術館で開催された展覧会「サムライ・ダンディズム 刀と印籠 ― 武士のこだわり」の図録です。

この展覧会では、日本刀20振に加え、なんと印籠235点、刀装などを含め約300点が展示されました。
日本刀というと武器としての側面に目が向きがちですが、この展覧会では「武士が愛で、身につけ、大切にした美術品」という視点から刀と印籠を紹介しています。

特に印籠は、もともとは実用品だったものが、江戸時代を通じて名家や名工による美術品・愛玩品として発展していったものです。
図録には日本刀や刀装具だけでなく、蒔絵などによって美しく装飾された印籠も多数掲載されており、刀剣とはまた違った江戸時代の工芸美を見ることができます。
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