【宅配買取】1977年限定500部!高木重朗訳『THE GREATER MAGIC LIBRARY』全4巻

ご依頼いただき、ありがとうございます!

エーブック店長よりコメント

先日、マジック・奇術関係の専門書をまとめてお譲りいただきました。

その中でも、ひときわ目を引いたのがこちらです。

『THE GREATER MAGIC LIBRARY』

J.N.ヒリヤード著/高木重朗訳

ユニコンエンタプライズ

全4巻

THE GREATER MAGIC LIBRARY vol.1 2 3 4 ヒリヤード著

赤い装丁に水色と白の文字が映える、非常に存在感のある本です。

しかも今回は、VOL.1からVOL.4まで4冊揃った状態

THE GREATER MAGIC LIBRARY vol.1 2 3 4 ヒリヤード著

マジック関係の本を扱っていると、「これは一般的な手品の入門書とはちょっと違うな」と感じる本がありますが、この『THE GREATER MAGIC LIBRARY』はまさにそうした一冊です。


原著『Greater Magic』はマジック史に残る大著

まず、この本について語るなら、原著であるJ.N.ヒリヤードの『Greater Magic』を抜きにすることはできません。

ジョン・ノーザン・ヒリヤード(John Northern Hilliard)は1872年生まれのアメリカのマジシャン、マジック関係者。

彼が手掛けた『Greater Magic: A Practical Treatise on Modern Magic』は1938年に刊行されました。

なんと1000ページを超える大著で、カード、コイン、ロープ、シルク、タバコ、カップ&ボール、リング、メンタルマジック、ステージマジックなど、非常に広範囲の奇術を収録しています。

現在の感覚でいう「手品のやり方をいくつか紹介する本」というレベルではありません。

プロのマジシャンが技術や演目を研究するための、いわばマジックの百科事典的な存在です。

THE GREATER MAGIC LIBRARY vol.1 2 3 4 ヒリヤード著

しかもヒリヤードは1935年に亡くなっており、『Greater Magic』はその後、カール・W・ジョーンズ、ジャン・ユガールらによって完成され、1938年に刊行されました。


日本語版を手掛けたのが高木重朗

そして、日本のマジックファンにとって、この本をさらに特別なものにしているのが高木重朗です。

今回の本では、原著者J.N.ヒリヤードに対して、訳者として高木重朗の名前が記されています。

高木重朗は1930年生まれ。

慶應義塾大学経済学部・法学部を卒業後、参議院参事を経て国立国会図書館参事を務めた人物ですが、それだけではなく、日本のマジック界でも非常に重要な存在でした。日本奇術連盟副会長などを歴任し、数多くのマジック関係書を著・編・訳しています。

現在でも、

      • 『カードマジック事典』
      • 『コインマジック事典』
      • 『ロープマジック』
      • 『トランプの不思議』
      • 『トリックの心理学』

など、高木重朗の名前を冠した本はマジック関係の古書を探していると頻繁に出てきます。

つまり、この『THE GREATER MAGIC LIBRARY』は、

世界のマジック史に残る大著を、日本のマジック界を代表する研究者・実演家のひとりである高木重朗が日本語にしたもの

というところに大きな意味があります。

国立国会図書館にも本書の所蔵が確認でき、同館の書誌ではJ.N.ヒリヤード著、高木重朗訳、ユニコンエンタプライズ刊として登録されています。


実際にページを開いてみると、かなり本格的

今回お譲りいただいた4冊を少し開いてみました。

これが実に面白い。

たとえば写真でご紹介しているページでは、ロープを使ったマジックが図解されています。

THE GREATER MAGIC LIBRARY vol.1 2 3 4 ヒリヤード著

単に「ロープをこう切ります」「こう結びます」という説明だけではありません。

手の位置、ロープの持ち方、切る場所などを細かなイラストで示しながら、実際の演技を再現できるように説明されています。

別のページでは、タバコと帽子を使ったマジック

さらに、

      • タバコ
      • マッチ
      • ロープ
      • カード
      • コイン
      • ハンカチ
      • 帽子
      • リング

など、当時のステージやクロースアップ・マジックで使われていたさまざまな道具が登場します。

現在のようにYouTubeで実演動画を検索すれば、すぐに動きを確認できる時代ではありません。

そのため、こうした本では文章と図版から演者の動きを頭の中で組み立てていくこと自体が重要な作業になります。

マジックの専門書を見ていると、この「図から動きを読み取る」というところが非常に興味深いんですよね。


「古い手品の本」ではなく、マジックの技術資料

古本屋としてこうした本を見るとき、発行年だけを見て「昔の手品の本」と考えるのは少し違うと思います。

『Greater Magic』自体が1938年の刊行であり、その後も版を重ね、1956年には5分冊の『The Greater Magic Library』として刊行されています。英語版については現在でもマジック専門のコレクターズアイテムとして扱われています。

今回の日本語版も限定版として刊行されたもので、写真の奥付には、

1977年4月15日発行

限定500部印刷

定価6,000円

とあります。

この「限定500部」という点も、古書として見逃せません。

実際、現在でもマジック関係の古書市場では『THE GREATER MAGIC LIBRARY』全巻揃いが専門的に扱われています。


全4巻揃いというところも重要です

今回のような専門書では、単巻だけでももちろん資料的価値がありますが、全巻が揃っていることに意味があります。

特にマジックの専門書は、後から「この巻だけ欲しい」と探しても簡単には揃わないものがあります。

今回の4冊も、それぞれ表紙のデザインは共通していながら、VOL.1、VOL.2、VOL.3、VOL.4と分かれており、並べたときの存在感もなかなかのもの。

マジックを実際に演じてきた方。

マジック史を研究している方。

古典奇術の技法を調べたい方。

そして、昭和のマジック文化そのものに興味がある方。

そうした方にとって、単なる「昔の手品本」では終わらない資料だと思います。

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