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エーブック店長よりコメント
今回ご紹介するのは、『正宗十哲 ― 名刀匠正宗とその弟子たち ―』です。
2024年に刀剣博物館とふくやま美術館で開催された特別展の公式図録で、鎌倉時代を代表する刀工・正宗と、その作風を受け継いだ「正宗十哲」に焦点を当てた内容となっています。

「正宗」とは
正宗(まさむね)は、鎌倉時代末期に相模国(現在の神奈川県)で活躍した日本刀史上最高峰ともいわれる刀工です。

正宗が完成させた**「相州伝(そうしゅうでん)」**は、それまで主流だった山城伝・大和伝・備前伝とは異なる力強い作風を確立し、日本刀の歴史に大きな転換をもたらしました。
地鉄(じがね)の美しさや、沸(にえ)が強く現れる刃文などは現在でも高く評価され、多くの国宝・重要文化財に指定された名刀が伝えられています。
「正宗十哲」とは
正宗十哲とは、正宗の影響を強く受けた十人の名刀工を指す総称です。

一般的には、
- 来国次(らいくにつぐ)
- 長谷部国重
- 志津三郎兼氏
- 金重
- 郷義弘
- 則重
- 石州直綱
- 長船兼光
- 長船長義
- 左文字
などが「十哲」とされています。
必ずしも全員が正宗の直接の弟子というわけではありませんが、相州伝の技法を各地へ広め、日本刀史に大きな足跡を残した刀工たちです。

正宗十哲だけをテーマにした初の展覧会
正宗を扱った展覧会はこれまでにも数多く開催されてきましたが、本展は**「正宗十哲」を主題とした初めての特別展**として開催されました。
刀剣博物館(東京)とふくやま美術館(広島)の共催により実現し、国宝や重要文化財を含む約50点の名刀が展示されました。本図録には、作品写真だけでなく、刀工ごとの解説や相州伝の成立・発展、日本刀史の流れなども詳しく収録されており、美術資料として非常に充実した内容です。

日本刀愛好家に人気の図録
展覧会図録は会期終了後に入手が難しくなることが多く、本書も刀剣愛好家や研究者から人気があります。
大型判ならではの美しいカラー写真で、刀身や刃文、地鉄の特徴をじっくり鑑賞できるほか、日本語と英語を併記した解説も掲載されており、資料性の高い一冊となっています。
日本刀関連の図録は発行部数が限られるものも多く、状態の良いものは古書市場でも需要があります。
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